8.18.2011

円高が進む中、なぜ日本は方向転換できなかったのか、それが理解できずに居る。

ものづくりを自称する企業に務めていながら、タイトル通りの事を思う。

円高が進んでいるというけれども、いまに始まったことではない。
少なくとも僕が子供の頃は1ドル120円ぐらいの時代だったから、10年以上かけて徐々に円高が進んできた事が分かる。

こうして円が高くなれば、当然製造業による輸出中心の外貨獲得は難しくなってくる。

お客さんは高度な製品を求める一方、円高のせいで外に売っても利益は・・・となる訳じゃないか。

であれば、なぜこの10年間で、製造業中心にしがみついてきたのか、いまさらながら疑問に思う。

ITバブルの時ですら、製造業中心の日本のスタイルは変わらなかった。
現物主義なのかもしれないし、「モノヅクリ大国、ニッポン!」 てのが素晴らしいとすっかり盲信している人たちが大勢居るという事かもしれないし、20年、30年、いやもっとかけて築いてきた製造業から、そうやすやすと他の業種に転向できるわけがない!と思っている人たちが居るのかもしれない。

ただ、ここまで円高が進んできたら、真面目に別の方向性を探るべきだと思う。
スウェーデンのように金融立国を目指したって、何ら悪いことじゃない。

国そのものがシンクタンクのようになって、諸外国の格付けをして利益がでるなら、それでもいいと思う。

もっと言えば、自国の中に目を向けた業種、例えばエネルギー産業とか農業・漁業のような食料自給率向上につながる分野に、力の入れ方を変えてもいいんじゃないだろうか。

もう一度書くけれども、僕はものづくりをする企業に務めている。

けれども、こう思う。もう製造業の時代――作って売って、それで外貨を得る、メイドインジャパンの時代は終わったんだろうと。

いまは猿真似だパクリだと中国韓国を小馬鹿にすることができているけれども、1年後はわからない。

また「日本人が吠えている 」などと世界から言われないようにするためには、自分たちの身の丈にあった外貨の稼ぎ方にシフトする必要があるだろうと思う。

相対的とはいえ、日本の円がこれだけ価値を上げている今、そこを使って国全体を潤すことができないのだろうか。

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