6.29.2010

近況。

まもなく6月も終わろうとしているので、今後の自分のためにも、近況をまとめておこうと思います。

・社会人3ヶ月経過。
社会人になって3ヶ月が経過しました。
今のところ、可もなく不可もなくといったところだと感じています。
懐に余裕が出来たら、いくらか寄付に回したいところ。
学生時代はスキルアップに当てていたアフィリエイトの売上も、今後はオープンソース系プロジェクトを中心に寄付に回そうと思ってます。
まぁ、その辺の詳しい話は、いずれ寄付をすることになった時にでも。

・社会に出て学んで、心に残っている事
「考える仕事ができるようになれ」
「明日の自分のためにログを取れ」
「"まね(真似)" から "まなび(学び)" へ」
「一仕事、一片付け」
「考えるのをやめるな」
書籍などから知識として得ていても、現場で実務を前に聞くと、ひと味もふた味も違ったインパクトがあった。
この辺の言葉は、一生の財産になると思う。

・プログラミング
最近あんまりプログラミングしてないですが、前に買って流し読みした「ふつうのHaskell」を再読しています。
読み終えたら、いつも通り感想文でも。
練習がてら、Haskellで何かつくりたい気にもなっているところなので、それも後日。

・最近考えていること
相変わらず電車通勤が苦痛でしょうがないんだけれども、朝一緒になる私立小学校の小学生たちがあやとりをしていてふと思った。
「あやとりは、どのような数学で説明できるのだろうか?」と。
こういったふとした思いつきがあるのは、電車通勤していてこその出来事か。

あやとりを数学的に説明するには、あやとりの存在する空間じゃなく、結び目や閉じた線を相手にするんだろうから、高等な幾何学の分野なんだろうか。
日経サイエンスのバックナンバーに特集を見つけたので、しばらく興味が続いたら買って読んでみようかと思います。

それから、せっかくJapaninoを手に入れたのに、生かしきれていない感じがするので、最近いろいろ練習する機会もあったので、本腰入れて電子工作に手を出してみようかと思ってます。
この辺は、また手を出し始めたら書きます。

・最近興味のあるキーワード
トイ・ストーリー3。
大哺乳類展
Mozc
Lisp、Haskell
気象学・海洋学
オープンソース
計算工学
電子工作
スマートフォン(特にAndroid携帯)
相変わらずだと自分でも思う。

・その他
明治大学で7月10日に行われる、組み込み向けの講演会に行こうかどうか迷っています。
休日だしお昼だし、当日まで覚えてたら、たぶん行きます。

後日後日と、先送りばかりな気がする・・・。
まぁ、いつものことだね。

6.27.2010

一日かけて乗り換。

OSをopenSUSEからSiduxに乗り換えました。
理由は簡単で、開発環境が入手しづらい状況にイラっときたから。
いつだか書いたLISPの環境も去ることながら、Haskellの環境なんかもないらしく、それらを整えていくのがなんだか面倒になったので、Siduxに乗り換えてしまうことにしました。

なぜSiduxにしたかというと、Debian系のディストリビューションで、本家と互換性が有りつつも、なんとなく独自路線で戦っている気がしたからです。

インストールに多少手間取ったはmozcぐらいで、それでもscim-mozcを利用することで、大変快適な入力環境が得られています。(ibus-mozcを利用するかは、現在検討中です。)

インストールスピードも早く、はじめは非常にコンパクトな構成のシステムが導入される様子は以前と変わりなく、たいへん使いやすい環境だなと感じています。

Debian由来のパッケージ数の多さも相まって、しばらくは快適に暮らせそうです。

6.24.2010

久々に後悔する買い物。


ここのところ、難しい物理系の書籍ばかり読んでいたので、久しぶりにIT系の書籍を読んでみました。

読んだのはこちら。



プログラマのためのソースコードを読む技術なる書籍。
内容的にはCodeReadingの親戚のようなものを期待したのですが、まったくの期待はずれ。

本書の中で、実際にソースを読むのは最後の章だけで、それも無意味にソースコード全文が載っている状態。完全に紙面の無駄遣いだと思いました。

そこに至るまでの、筆者曰くソースコードを読むための前提となる技術的スキルも、プログラマ入門以前じゃないか?と思える内容が多く、例えばgrepやglobal、Doxygenなどの、プログラマなら日常的に使っているだろうツール群を「これは便利だ」と紹介していたり、アルゴリズムやデータ構造のうち、基本にすら引っかからない様な、プログラマなら当たり前に知っているものを基礎なのでと紹介したりとか、CPUの仕組みを解説するために、コンピュータいサイエンスの入門コース向け教科書にあるCPUの解説を、もっと悪くしたような実装例を紹介してみたりとか、とにかくあらゆる場面で「なんだかなぁ。」という感想ばかりが浮かんでくる書籍でした。

私は基本的に本は取っておく派でしたが、久々に早々と中古書店に売ろうと思わせる書籍で、この内容でこの金額はあまりにも高い買い物だったと思います。

加えて最悪なのが、身につけた技術を使う先が一切示されていないことです。
つまり、この本の次のステップとなるべき書籍が紹介されていないのです。
本来ならばこの手の書籍は、技術をみにつけ、ソースを読んでみて、さらに進むために……としてよりレベルの高い書籍の手引きとなるべき役割をになっているはずだと思います。

久々に引いたハズレ本だったので、ついつい荒っぽいながらも文章に起こしてしまいました。
Amazonのレビューがついていない様ですが、購入前にどんな本なのかしりたい方は参考にしてください。

私はおすすめしません。

6.22.2010

最先端物理学を読む。

最近文書に直していないだけで、きちんと本は読み続けてます。
若干ペースダウンはしているけれども、3冊/月ぐらいで今後も読み続けられればなと思います。

で、今回は最近読んだ2冊の紹介と感想文です。
いずれも一般書として発売されてこそ居るものの、専門的な内容で、2冊読みきるのに1ヶ月かかってしまいました。

一冊目はこちら。


2008年のノーベル物理学賞受賞学者、小林誠氏による著書です。
タイトルは消えた反物質というわかり易いもので、まえがきにも一般書として読めるように書いたと書かれていますが、いきなりファインマングラムが出てきたり、量子力学をかじった程度の知識を想定して書かれているだろう内容が端々に見られたり、多少なりとも物理学の素養がなければ、読み勧めることすら難しいだろうと言える書籍でした。

文章の書き方も難しめで、教科書に近い、カッチリした文章だと感じました。
反面、多少この分野の事を知っていたり、図の見方を理解していれば非常に楽しめる内容で、氏がノーベル賞を取る理由となった理論への言及や、現在も実験が続けられているBファクトリーの話など、なぜ宇宙は物質でできているのか?という素朴な疑問からスタートし、素粒子の標準模型や、その研究に使われる実験設備にまで話が及びます。

ノーベル賞受賞理由の理論について深い記述はないものの、どういう土台の上に理論が作られたのかを知るに当たっては、十分な内容だと思います。
加えて、本当に難しいところは断りを入れて深く踏み込まない様にしてくれていたり、厳密には異なる事でも、断りを入れた上で、簡単な(それでも理解するのに数度読み直した箇所がありましたが)説明になっているのは、いい作りだと思いました。

素粒子物理学やら量子力学やら、そのあたりの知識が多少あって、興味があるなと思う方はぜひ。

続いて二冊目。
同じくノーベル物理学賞を受賞された、南部陽一郎氏による著書、クォークの第二版です。
初版から大幅な改訂が行われており、近年の研究事情や、初版から第二版の過程で新たに分かってきた事実などを盛り込んだものになっています。

文章は非常にわかりやすく、一般に難しいという印象の強い素粒子の世界の話を、かなり噛み砕いて、場合によっては厳密さを無視し、日常よく触れるものに例えて解説がなされています。

後半、ゲージ場の理論が出てくるあたりになると徐々に難しさが増して来ますが「ギブアップ!」と叫びたくなるほどにはならないのでご安心ください。

章立てされてクォークという不思議な素粒子(と考えられているもの)について解説するというのが主題ですが、後半はクォークを超えた、素粒子物理論全体、あるいは物理学者の夢である統一理論などについても詳しく語られます。

最近の素粒子に関するニュース(ニュートリノの質量の話題など)をざっくり見てから読み始めると、第二版からさらに進んだ最新の研究事情との対比を行うことができ、非常に面白い体験ができると思います。

先の消えた反物質に比べればかなり読みやすく、一章一章の流さも短めで、ちょっとした時間に着々と読み進めるのには向いている書籍だと思いました。

文章も柔らかく、親戚のおじさんが語ってくれているような、温かみのあるものでした。
難解な図の類は無いものの、途中途中で読者に語りかけ、「この問題を考えてみてご覧なさい」とする様は、書籍の中に参加し、議論している感じがして大変良かったです。

量子力学の知識があればすんなりと読み進めることができ、素粒子物理学のさわりを理解するために読みたいという方にもおすすめできると思います。

いずれも良書なので、ノーベル賞を取るほどの頭脳がどういう風に素粒子の世界を理解しているのかを知りたい方は、手に取ってみてはいかがでしょうか。

6.20.2010

社会人の塗装環境選び。(エアブラシ、コンプレッサ、塗装ブースなど)

こんにちは。社会人です。

社会人になったので、学生時代から夢見ていた、エアブラシを中心とした塗装環境を整えました。
半年程前に「絶対買おう」と決心し、計画した結果の買い物で、満足できています。

しかし、私が購入した一連の製品について、あまりネット上に情報がないようなので、まとめてポストしてみることにしました。
これと同時に、私がこれらの製品を購入するに至った理由なども併記してありますので、これからエアブラシ塗装環境を整えて、プラモデルづくりに励もうと考えている諸兄にも、参考にしていただけるかと思います。

0.前口上
本題に入る前に、どういう経緯でエアブラシセットを手に入れるに至ったか?
手に入れるに当たって、どういったスペースが必要かを書いておきます。

i.なぜエアブラシで塗装しようと思ったのか?
一番重要なのはココです。
プラモデルの塗装自体は筆で行うことができますし、筆で塗ると塗りむらが目立つ広い面であっても、缶スプレーを使えば手軽に塗装することができます。
いずれも初期投資は数百円のレベルからでき、エアブラシのように最低でも数千円からという投資額は必要ありません。

ではなぜ、筆とスプレーの組み合わせではなく、エアブラシを選んだのか?(あるいは選ぶのか?)ですが、単純に、「一気に塗りがうまくなると聞いたから」に他なりません。

筆で塗ること自体はエアブラシを使うようになった後でもやりますが、ついつい厚塗りになってしまいがちだったり、私のように水性塗料を使っていると、どうしても筆塗りでは乾燥時間が多くかかったりするものですが、エアブラシではそれらが無い(あるいは容易にコントロールできる)と聞いたので、半年程かけて、今回の購入に至りました。

先に結論を述べてしまえば、半年かけて練り、購入してよかったものだと思っています。

ii.環境を整えるためには、どのくらいのスペースが必要か?
私が失敗したポイントの一つがこれです。
予定していたよりも、若干広いスペースが必要になりました。
そこで、整える前に次のポイントでスペースを確保しておくことをおすすめします。

・コンプレッサ置き場
エアホースと電源コードの長さに制限され、足元など、意外に近場へおいておく必要があります。加えて、コンプレッサは熱を発する装置ですので、付近が密閉されているとマズイです。
したがって最低限、「コンプレッサの大きさ+放熱のために十分なスペース」を確保する必要があると言えます。

これに電源コードとエアホースの取り回しとを考えると
[電源]---1m以内---[コンプレッサ]---1m以内---[エアホース]---…
といった取り回しが可能であるスペースが必要でしょう。

・塗装ブース置き場
私が失敗したのはこれです。
塗装ブースを設置する場合には、塗装ブースを全て展開した状態での大きさ+α程度の広さをとっておくと良いです。
私の場合は出窓部分に設置するつもりで買ったのですが、確かにブースの羽を展開しない状態ではピタリと納まるものの、いざ塗装のために羽を展開すると、確保したスペースから若干飛び出てしまいます。
このあたりは、よく考えて購入する必要があるでしょう。

・作業スペース
このあたりは個々人の作業手法によると思いますが、塗装ブースのそばに、塗装し終わったパーツを置いておくためのスペースや、夕方〜夜間にかけての暗くなった部屋で作業する場合に、手元を照らす電灯を置くスペース、塗装の途中にマスキングなど、ちょっとした加工を行うためのスペースがあると便利です。

iii.予算はどの程度にしたか?
コンプレッサを含めたセットは、ネット上を調べた限り、2〜3万程度が最低限必要な金額だとわかりました。
ただ、せっかく社会人になりましたので、それより少し奮発して、塗装ブースなどもろもろ含めて6万円以内に納まるように選びました。

1.コンプレッサー選び
最初に選んだのはコンプレッサです。
エアブラシ塗装をするにあったって、空気の供給源となるものです。
手軽な方式としてエア缶を使った方式もあるようですが、エア缶ひとつの値段を考えると、一見高額に見える初期投資をしてでも、コンプレッサを購入したほうがお得であると言えます。
例えば、プラモデル一つを塗装するのにエア缶2本を使ったとしましょう。

Amazon.co.jpの価格では


ですから、一つあたり(ロープライスの)700円ちょっとと考えても、10体も塗装すれば、700円×1体当たり2本×10体で、2万円近くになります。

また、缶スプレーなどを使ったことのある方はすぐに分かると思いますが、このタイプのものはある程度使っていると物理的な理由から圧力が下がってきます。
したがって、缶を温めつつ作業しなければならない事が予想されるのです。

このあたりの、長い目で見た時のコストと作業の煩雑さを考慮して、私はきちんとコンプレッサを購入することにしました。

コンプレッサを選ぶに当たって重視したポイントですが
・価格
・静音性
・連続稼働時間
・吐出圧力
・時間あたりの最大吐出量
・アフターサービス
の6つです。

価格は言うまでもありません。スペックが十分ならば、安価に越したことはないですから。
今回の予算に合わせて、3万円程度で手に入るコンプレッサをチョイスすることにしました。

静音性については、会社から帰宅後に塗装することを考慮して、深夜とまではいかないまでも、夜間に動かしても平気な音量であって欲しいと思いました。
具体的には、公称スペックで55デシベルを下回るモデルをチョイスすることにしました。

連続稼働時間については、メーカーのカタログにも掲載されていなかったりしますが、案外重要です。
例えば、安価なコンプレッサとして有名なプチコンは、定格稼働時間が30分となっています。(ちなみに、プチコンキュートは120分と、大幅に定格時間が伸びています。)
調べてみた限りでは、定格時間とは、それ以上連続動作させると、コンプレッサの健康に悪影響を与える限度と言える時間(メーカーとして言える、連続動作限界の時間)だそうで、この時間が短すぎると、塗装の途中で塗りを中断してコンプレッサの放熱を待たねばならず、非常に厄介です。

エアブラシに限らず、私は色をかなり薄めて、何度も何度も重ね塗りする派なので、1回の塗装に1時間以上かけることはザラです。
したがって、連続稼働時間の制限がないモデルをチョイスするか、エアタンクの搭載によってコンプレッサ自体の連続稼働時間を抑えられるモデルをチョイスしようと思いました。

次に吐出圧力ですが、結局はレギュレータを咬ませてそこで圧力調整してしまうので、元圧の大きさはそれほど関係ないと言えてしまうのですが、個人的に実稼動時の圧力が、公称されている圧力から見て十分余裕のある数値でないと安心できないため、重視した項目です。

実際にどの程度影響があるのかは知りませんが、公称100KPaの吐出圧力を持つコンプレッサに、常に100KPaの圧力でエアを吹かせていれば、それはコンプレッサが常時全力疾走している気がするのです。
その点、300KPa程度の公称吐出圧力をもっているコンプレッサに100KPa程度の圧力で吐出させていれば、それはコンプレッサの限界能力から見て、1/3程度の能力で動いているわけですから、動作に余裕がある気がするのです。
そういう訳で、今回はこの辺も選ぶときのポイントにしました。
(余談ですが、実際に使ってみると30KPa〜100KPaをちょっと超えるぐらいの圧力で吹くことがほとんどでした。よほど粘度の高い液体を吹き付けない限り、数百KPaの高圧は必要ないと言えるでしょう。)

続いて重視した時間あたりの最大吐出量ですが、これも余裕があったほうがいいだろうという考えと、一度にドバっとだしたい時に出てくれると気持ちよさそうだというシンプルな理由からです。あまり深い考えはありませんでした。

最後がアフターサービスです。
コンプレッサを買うときについつい忘れてしまいがちですが、消耗品の入手のしやすさや修理窓口の多さ(あるいは修理窓口の営業時間)、修理のスピード、わからないことがあった時の対応などは、意外に重要です。

例えば、オイルを利用するタイプのコンプレッサでは、交換用オイルが自宅近辺で入手しやすかったり、長期にわたって信頼できる通販サイトを通じて入手できなければ、末永く共にプラモデルライフを歩むことはできないでしょうし、困ったときに日本語で相談できる窓口や、万一壊れたときに修理に数ヶ月も掛かるようなメーカー相手では、いい買い物はできそうにないでしょう。

私自身が機械を扱う職業だからかもしれませんが、多少価格が高くとも、アフターサービスがしっかりしているところを選びたかったのです。

こうした事を考慮し、もろもろ調べた結果、候補として次のコンプレッサが上がりました。
・GSIクレオス Mr.リニアコンプレッサー L7




・タミヤ スプレーワーク AC専用コンプレッサーセット SW-653




いずれも価格は3万円以内で入手でき、動作音も55デシベル以下、連続稼働時間に制限はなく、吐出圧力、吐出量共に、カタログスペック上は十分であると感じました。
加えて、両者とも国内における模型用ツールの主要メーカーであるため、アフターサービスや消耗品の入手のしやすさを考えても、十分信頼できると判断しました。

2.エアブラシ選び
エアブラシは選び方がよくわからなかったので、モデルグラフィックス誌、2010年7月号の特集記事を参考に、次のような条件で選びました。

・ダブルアクション・エアブラシ
シングルアクションと違い、ニードルを閉じなくても塗料が垂れないというのが最大の魅力に感じました。
加えて、繊細な表現がしやすいという言葉にも惹かれました。

・口径は0.3mm
塗装するのは主に1/700スケールの艦船系の模型なので、もっと細口でもよかったかもしれませんが、たまごヒコーキやガンプラなど、息抜きに作る他の模型にも応用が利くようにという思いと、一番最初だと言うことで、使用用途が広く、入門に適すると記事に書かれていた、口径が0.3mmのエアブラシを選ぶことにしました。

・カップ一体型
記事も去ることながら、ネット上の情報でも、エアブラシの清掃が面倒だという記事をよく見かけましたので、清掃が少しでも楽なカップ一体型をチョイスしました。
(半月ほどエアブラシを使った経験から言えば、思っていたほど清掃は大変ではありませんでした。)

これらを考慮し、絞り込んだのが次のエアブラシです。

・タミヤ HGエアーブラシ カップ一体型



・GSIクレオス プロコンBOY WA ダブルアクション 0.3mm プラチナVer.2




価格を見ても、ネット上の情報を見ても、モノとしてはGSIクレオスの方が良さそうに感じますが、コンプレッサとの兼ね合いで悩むところでした。


3.塗装ブース選び
必要ないと言えばそれまでですが、あるに越したことはないのが塗装ブースでしょう。
個人的には、この手の安全対策は必須だと思っているので、今回まとめて買うことにしました。

塗装ブースは種類がそう多くなく、価格の差もそれほど大きくありません。
したがって重視したのは消耗品の入手のしやすさと音でした。

その結果、絞り込んだのが次の塗装ブースです。
・GSIクレオス Mr.スーパーブース



・タミヤ エアーブラシシステム ペインティグブースII(ツインファン)

・タミヤ エアーブラシシステム ペインティグブースII(シングルファン)




調べた限り、ネット上で一番評判がいいのはMr.スーパーブースでした。
ただ、音ではシングルファンのペインティングブースIIに分があるように感じ、悩みました。


4.その他の必要部材選び
その他、塗装に当たって必要なものを選びます。

・エアレギュレータ
言うまでもないですが、吐出圧力を調整するために必要です。
あまり出来の悪いレギュレータですと、吐出圧を安定させるために数回エアを空だしする必要があったり、吹きはじめはエアが安定しなかったりするので、購入に当たっては注意しました。

・ワイプとメンテナンスツール
多少コストはかかりますが、カップ内をクリーンに保っておきたいので、エアブラシのカップを拭くには、普通のティッシュではなく、ケバや紙くずが出にくい工業用のワイプを使いたいと考えました。
有名なのはキムワイプで、私も東急ハンズで買ってきましたが、この他プロワイプやJKワイパーといった同種の商品でもいいと思います。
プロワイプやJKワイパーは、キムワイプよりも大きく、広範囲を拭き取るのに便利です。

ワイプの他には、エアブラシ洗浄剤とグリスなどのメンテナンスセットを揃える必要がると考えました。ちょうどクレオスからエアブラシのメンテナンスツールが出ていたので、それを購入することにしました。




・有機溶剤とミストに対応できるガスマスク
マスクをしない方もいるようですが、健康のためにも必ずマスクはすべきです。
特に有機溶剤と粉塵を防ぐ、両方の能力を持っているものをチョイスしました。
マスクを選んだポイントは、消耗品である溶剤除去缶やミストフィルタの入手のしやすさと、規格に適合している事です。




その結果、選んだのが上記のマスクです。
ちなみに、模型売り場には活性炭入りなど、耐溶剤性があるような謳い文句のマスクがありますが、厚生労働相などが発している規格に適合していない製品を使うのはあまり意味がありません。
普段の接着剤や筆塗り塗装程度ならまだしも、エアブラシのような、溶剤も塗料も大量に(しかも飛沫させて)使う装置の場合には、健康のことを考えて、多少高くてもきちんとしたものを選ぶべきでしょう。


・ビニール手袋
パーツを手に持ちながら塗装するつもりだったので、手がひどく汚れ、加えてそれがパーツに付着した時の悲しさを考慮して、手袋をしながら作業することにしました。
スーパーなどのキッチンコーナーで売っている、薄手のビニール手袋で十分だと思いますが、模型に使う溶剤に溶けてしまわないものを選ぶ必要があると思います。

5.購入した製品と購入のポイント
ここまで色々と検討してきましたが、結局購入したものを次に挙げていきます。

・タミヤ スプレーワーク AC専用コンプレッサーセット SW-653
タミヤ HGエアーブラシ カップ一体型
・タミヤ エアーブラシシステム ペインティグブースII(シングルファン)
・他、ワイプやメンテナンスツール、ガスマスクなど。
―― 占めて5万円強(あみあみ価格による)
うまい具合に予算内に収まりました。

タミヤのものに限ったことではないですが、コンプレッサを買うときにはエアレギュレータやエアブラシハンガーなどがセットになっているものの方がお得です。
クレオスのコンプレッサを買うときには、コンプレッサそのものの買い替えでない限り、プラチナセットをチョイスして購入するのがいいでしょう。
私がそれにしなかったのは、クレオスのエアレギュレータの評判があまり良くなかったからです。
(かといって、タミヤのSW-653に付属のエアレギュレータが特筆するほど優れているかというと、そうでもありません。)



この他、オイル式コンプレッサを使う場合にはミストセパレータとオイルフィルタが必須になってくるでしょう。高級なレギュレータならば、このあたりの機能が付属しているものも少なくないので、選ぶときの参考になさってください。

6.おまけのその他の注意点
非常に長い投稿となりましたが、半年かけて選んだものなので、どうしても語りたくなってしまうのです。
この他、購入後に私が気づいた、もっと注意しておくべきだったと思ったポイントを挙げておきます。

・コンプレッサとレギュレータ、エアブラシの間の接続ネジのサイズ。
スペック表などにも表立って出てこないので、なかなか判断が難しいとは思いますが、ネジのサイズは重要です。GSIクレオスから変換下駄とも言うべきアタッチメントが出ているので、それを使えば困ることは無いでしょうけれども、購入したエアブラシが接続できなかったとか、レギュレータ側と口径が違ったとか、泣きを見ることがあるかもしれません。
(実は、これを警戒して、SW-653で確実に使えるタミヤのエアブラシをチョイスした経緯があります。よく考えてみればタミヤに問い合わせれば済む話で、エアブラシの選択の幅も広がっていたんじゃないだろうかと、買った後に思いました。)

具体的には、PSと呼ばれる極細のネジと、Sネジ、Lネジの3タイプがあります。
今回購入したSW-653は、コンプレッサとレギュレータの間をLネジで、レギュレータからエアブラシをSネジでつなぐタイプでした。
(Sネジでつなぐので、クレオスのエアブラシも活用できそうです。)
GSIクレオス、エアテックスやWAVEなど、他社製コンプレッサでどうなっているかは調べていないのでわかりませんが、勢いで購入する前にチェックし、ネジのサイズが違うならば、変換アダプタを併せて購入するのがいいと思います。

・動作音
やはりカタログスペックだけじゃわからないものです。
L5やタミヤのREVOなど、よく使われているモデルはYouTubeに音がアップロードされていましたが、私が探した限り、タミヤ SW-653の動作音は見当たりませんでしたので、私が自宅で録音したものを掲載しておきます。
コンプレッサから耳(録音機器)までの距離はだいたい1メートルぐらい、六畳の和室で、日曜日の昼間、静かな時間帯(午後2時頃)に録音しています。
最初は部屋の静かな音の状態で、スイッチが入り、5秒たったぐらいで、100KPa(=0.1MPa)の圧力で吐出しています。(音が大きくなっているのがおわかりいただけると思います。)
その後、10秒ほど吐出してから吐出をやめ、また5秒ほど運転させた後、スイッチを切っています。

    

    

    



これが大きいと感じるかどうかは人それぞれでしょう。
(ちなみに、ふすまで仕切られた隣の部屋では、音はほとんど聞こえません。)

以上です。長い記事でしたが、お付き合いありがとうございました。

6.19.2010

おいろなおし

同僚にBloggerの自己紹介文間違ってるよ!と指摘され、そういえばそんな機能もあったなぁと思い出しました。
考えてみればブログをつけ始めた頃なので、2007年頃に書いたものだったんですねぇ。
そこから今日まで放置と。いやあ、恥ずかしい限り。

しかも、ブログの説明文までその当時のままだったので、これを機に直しておきました。
ついでなので、テンプレートも変更してあります。
夏に向けて、爽やかさを追加デス。

6.05.2010

openSUSE 11.2に、mozcを自前ビルドでインストールする方法

先日のポストの通りまとめておきますが、参考にしたページ曰く、ワンクリックインストールできる環境が整ったようなので、楽をしたい人はそちらの方が便利だと思う。

ただ、本家には含まれておらず、バイナリに梱包しての配布もよしてね。と言われてるけれど、何気にいい感じの、UTUMIさんの辞書を使うための方法をしりたい人もいると思うので、そういう人は下記のメモが役立つんじゃないかと。

1.必要な環境を整える。
先程のページを参考に、zypper経由で必要な開発関連パッケージを取り寄せておきます。
先日のポストにも書きましたが、参考サイトのパッケージ以外に
・protobuf
・qt4
の開発パッケージが必要なので、それぞれprotobuf-develとlibqt4-develをいれておきます。
加えて、オフィシャルなレポジトリにはない、gtestのdevelパッケージも必要なので、SUSEのSoftware searchから引っ張り出してきて放り込みます。

2.ソースコードなどを取り寄せる。
まずはホームディレクトリに移動後、gclient depot toolsをsvnからチェックアウトしてきます。

% cd ~/
% svn co http://src.chromium.org/svn/trunk/tools/depot_tools
% export PATH=`pwd`/depot_tools:"$PATH"

ついでに、UTUMIさんの辞書も用意しておくといいでしょう。

つづいて、ディレクトリを掘ってから、今入れたgclientでmozcのコードをひっぱってきます。

% mkdir -p ~/src/mozc
% cd ~/src/mozc
% gclient config http://mozc.googlecode.com/svn/trunk/src
% gclient sync

今後mozcをビルドし直すときは、最後のgclient syncコマンドを~/src/mozcディレクトリで走らせれば、自動的に最新のコードを持ってきてくれます。

3.辞書をつくる
ビルドに先立ち、先程とってきた辞書を大本の辞書とミックスします。
はじめに、落とした辞書を展開し、展開先のディレクトリに移動後、次のコマンドでひとつながりにします。
ひとつながりにしたものは、mozcのデフォルト辞書があるディレクトリに配置します。

% cat mozcdic-ut-*.txt > dict01.txt
% mv dict01.txt ~/src/mozc/src/data/dictionary/dict01.txt


続いてこれをくっつけ、使えるようにします。

% cd ~/src/mozc/src/data/dictionary
% cat dictionary1.txt dict01.txt > dictionary1.txt.new
% mv dictionary1.txt.new dictionary1.txt


4.ビルド
ビルドします

% cd ~/src/mozc/src
% python build_mozc.py gyp
% python build_mozc.py build_tools -c Release
% python build_mozc.py build -c Release unix/ibus/ibus.gyp:ibus_mozc server/server.gyp:mozc_server gui/gui.gyp:mozc_tool

時間がかかるので、しばらく放置。

5.インストール
あとはインストールするだけ。

% sudo mkdir -p /usr/lib/ibus-mozc/
% sudo cp -p ~/src/mozc/src/out/Release/ibus_mozc /usr/lib/ibus-mozc/ibus-engine-mozc
% sudo chown root:root /usr/lib/ibus-mozc/ibus-engine-mozc
% sudo cp -p ~/src/mozc/src/unix/ibus/mozc.xml /usr/share/ibus/component/
% sudo chown root:root /usr/share/ibus/component/mozc.xml
% sudo chmod -x /usr/share/ibus/component/mozc.xml
% sudo mkdir -p /usr/lib/mozc/
% sudo cp -p ~/src/mozc/src/out/Release/mozc_server /usr/lib/mozc/
% sudo cp -p ~/src/mozc/src/out/Release/mozc_tool /usr/lib/mozc/
% sudo chown root:root /usr/lib/mozc/*

最後に/usr/share/ibus/component/mozc.xmlの5行目と12行目を
/usr/libexec/ibus-engine-mozc
から
/usr/lib/ibus-mozc/ibus-engine-mozc
にしてインストールは終わり。
再起動して、ibusの使う変換エンジンにmozcを指定すれば、晴れて快適な環境が整うという訳デス。

6.その他
インストールしたままの状態だと、mozcにはアイコンがなく、起動しても面白みがないので、適当なpng形式のアイコンを拾ってきて
/usr/share/ibus-mozc

product_icon.png
という名前で放り込んでおけば、mozc起動時にそのアイコンがタスクトレイに表示されます。

僕もMozc Insideなんてパロディーアイコンを作ってみたものの、実際に使ってみると、タスクトレイ上じゃつぶれて綺麗に見えないので、他のところからよく調整されたアイコンを拾ってくるのが賢いでしょう。





この記事を参照したことで被ったいかなる損害にも応えられないので、やるときは自己責任で。
個別の質問には回答しかねます。




参考にしたサイト一覧:
LinuxBuildInstructions - How to build Mozc on Linux
yzn8's blog
Mozcを試しに使う
箕面市役所Edubuntu日記