3.24.2009

これだから、物理はおもしろい!

物理学というのは、ちょうど神様のチェスを見ているようなもの――たしか、ファインマンが言った言葉だったと思う。

しばらく見ていると駒の動きが分かってくる。
例えば魔術師の形に見える駒は、いつも同じ色のマス目の上を動いているとかね。
でも、時々キャッスリングみたいな、これまで知らなかった動作が起こる。

そんな風に続く文句だったと思うけど、まさに、それに近いことが起こったわけだ。
20日付だから、2日ぐらい前の記事になるんだけど、フェルミ研究所(フェルミといえば、フェルミオンやフェルミ推定にその名を残す大物理学者)が、新しい素粒子――それも、これまでの予測の範疇を超えた素粒子を発見したという記事が、ナショナルジオグラフィに掲載されていた。( 記事

「驚くべきことに、今回発見された粒子の存在は予測できなかった。従来の理論では、クオークや反クオークをどのように組み合わせてみても発見されたような粒子は構成できな」というコメントからも読み取れるとおり、これまでの理論では説明できない、新たな要素が見つかったわけだ。

私は素粒子物理学は専門外なので、門外漢としての素人発想だけれども、ひょっとすると、これはヒッグス粒子なしに物質が質量を得ることを説明できるとっかかりになるかもしれないし、先日ノーベル賞を取った南部先生の功績によるところが大きい「標準理論」についても、修正を迫るかもしれない内容なんだろう。

アインシュタインのような天才が出てきて、ニュートン力学に相対論的修正を迫ったように、標準理論も書き換えられることになるのかもしれない。
そこに、今ある標準理論の姿が見られるのかは分からないけれど、続報を楽しみにしたいニュースだと思う。

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