9.15.2007

カツオと昆布の合わせダシみたいだな.

理研が計画している,次世代スパコンのお話.
ベクトル型コンピュータと,スカラ型コンピュータを合わせて使うことで,10PFlops(ペタフロップス)というケタ外れな性能を出そうというもの.

10PFlopsってことは,1.0×1016Flopsか.
恐ろしい演算性能だこと.
しかも,Linpack(ベンチマークソフト)での計測値でこのスペックだっていう話だから,実際によく最適化された演算なら,もう少し上の性能を出せる可能性もあるわけか…….
大気の運動とか,海洋運動とか,気象予測とか,小さいところでは分子動力学とか(分子動力学では,MD-GRAPEの方が高い性能を出せるのかな?)そういう(カオス的な要素が必要とされたり,非線形な計算を要する)分野で使ったら,顕著な成果を得られるかもしれないね.

ちなみに,この性能だと世界のスパコンと比較してどのクラスにランクインするかってことだけれども,スパコンTOP500のリストによると,現在の第1位は相変わらずIBMのBlueGene/L(Linpack score:280.6TFlops)だから,超余裕で1位を取れるという計算に…….
もう笑うしかないな.

もっとも,特にアメリカを中心とした国のスパコンは軍事用途に使われることが多いのに対して,日本のコンピュータは純粋に科学技術発展のために使われることが多いので,予算の関係上,すぐに追い抜かれることも容易に予測できるわけだけど.

もうひとつ注目すべきなのが,クラスタを構成する時に使われるネットワークのタイプで,これまでの電気的な通信手段ではなく,光通信を使ってクラスタノード同士の連絡を行うという仕組みらしい.
光なら数十~数百Gbpsぐらいラクに出るだろうから,演算の効率化に寄与するのは間違いないだろうね.
地球シミュレータが登場した時のように,日本のスパコンが世界一になる日もそう遠くないんじゃなかろうか?
(ともあれ,アメリカでは光CPUなるものも研究されているらしいので,世界的な開発競争は止まらないだろうけど)

ちなみに,ベクトル型スパコンを実用している国はとても少なくて,特に世界トップクラスの性能を有するスパコンでは,日本の地球シミュレータぐらいなものだというのを,以前に授業で習った気がする.

なんにせよ,とっても楽しみ.
近場の和光市にある理研じゃなく,神戸の理研に設置されてしまうというのが残念.
まぁ,京大とか,あのあたりの学府ならうまい具合に使いこなして,すごい成果を出すんじゃないだろうか?

リンク:
ZDnetの記事
スパコンTOP500

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